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医療分野・介護分野の生産性が低迷

2011年05月07日
◆全産業平均の約6割止まり
成長分野として期待されている医療・介護サービスの生産性は、全産業平均の約6割にとどまり、非常に低迷しているようです。

医療・介護サービスの需要は今後ますます拡大し、成長産業としての期待も高まりますが、生産性が低いままでは問題が多いものと思われます。

◆「生産性」とは何か?
ここでいう「生産性」とは、働く人1人が生み出す付加価値額(あるいは生産量をあらわす労働生産性)を指します。

労働者に備わった技術や知識、設備の効率性などによって変化し、中長期的にみると賃金はほぼ生産性に比例します。
経済成長率も、長期的には生産性の伸びによって決まるとされています。

◆伸び悩む医療・介護産業
総務省の調査をみると、社会福祉・介護業の従業員1人当たりの売上高は年362万円、医療は876万円となり、サービス産業平均の1,083万円を下回っています。

その理由として、参入障壁があり事業者間の競争が乏しく、生産性を高めようとする動機づけが働きにくい点、福祉サービスの料金は公定価格が基本で、サービスの差が生まれにくい点が挙げられます。

福祉分野で働く人は、ここ5年で約100万人も増え、労働者全体の1割を超えました。
しかし1人当たりの名目賃金は、2000年からの10年間で16.6%も下がっています。

◆「規制緩和」がカギになるか
このような状況を打破するため参考になると言われるのが、イギリスなどの例です。
イギリスでは、財政支援などで政府が関与しながら、病院や施設同士の競争を促し、生産性を高める制度が試みられています。

患者や高齢者が多様な選択肢から医療や介護施設を自由に選ぶと、サービスの質が高く、早く退院できる施設を選ぶようになるため、財政支出の抑制にもなります。


(出島労務管理事務所便り平成23年4月15日号より)

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