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利用が進まない「ジョブ・カード制度」

2009年05月27日
◆1年間で約4万人に発行
職業経験が少ない人の就職を支援するため、厚生労働省が2008年4月から始めた
「ジョブ・カード制度」ですが、普及が遅れています。
5年間で100万人へのジョブ・カード
発行が目標でしたが、導入から約1年で約4万人にとどまっています。

同省では、ジョブ・カード制度における雇用型訓練実施企業への助成を拡充するなど
して、利用を呼びかけています。


◆「ジョブ・カード制度」の概要
ジョブ・カード制度は、企業現場でのOJT(実習)、教育訓練機関等でのOFF-JT(座学
等)による職業訓練を通じて、フリーターや子育て終了後の女性など、職業経験の少
ない人の能力を高め、就職を支援することをねらいとしてスタートしました。

ジョブ・カードの発行希望者は、企業現場・教育訓練機関で実践的な職業訓練を受け、
その評価結果である評価シート等を取得し、これを自らの職歴・教育訓練歴、取得資格
などの情報とともに「ジョブ・カード」として取りまとめます。

ジョブ・カードを作成することにより、自分の職業能力・意識を整理することができ、また、
作成したジョブ・カードは、常用雇用を目指した就職活動や職業キャリア形成に幅広く活
用することができるとされています。


◆政府の対策は?
制度の導入からまもなく1年が経過しますが、制度自体の認知度が低く、そのメリットが
広く知られていないうえ、職業訓練希望者の受入れを表明した企業は現在約2,100社と
少ない状況です。
また、昨秋からの急激な不況で雇用が縮小しており、企業が今後の
受入れに二の足を踏むことも予想されます。

普及促進のため、政府は、制度のテコ入れを始めています。
まず、企業現場における
職業訓練の際にかかる賃金の助成率が、中小企業では「2分の1」から「4分の3」に引き
上げられました。
また、訓練受入企業の参考となる「モデル評価シート」「モデルカリキュラ
ム」等を作成し、企業の便宜を図っています。


◆不況期の雇用とジョブ・カード制度
中小企業にとっては、大企業が採用活用を控える傾向にある今、良い人材を積極的に
採用できるチャンスです。
その際にジョブ・カードを活用すれば、事前にその人の職業能力
もわかり、雇用のミスマッチをなくすことができます。
ひいては、雇用改善の近道ともなるで
しょう。

政府には、制度自体の認知度を上げ、普及を進めるためのさらなる対策が期待されます。


(出島労務管理事務所便り平成21年4月15日号より)


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