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非正社員雇用の現状は?
2008年11月17日
◆非正社員雇用が頭打ち
景気停滞局面の中、拡大が続いてきた派遣やパート・アルバイトなどの非正社員の雇用
に、頭打ち感が強まってきました。
企業は中長期的な人材確保のための正社員採用に
は積極的ですが、非正社員については絞り込む傾向が強くなっているようです。
◆非正社員の雇用の現状
総務省「労働力調査」で、雇用者数の内訳をみてみましょう。
正社員などの「常用雇用」は今年6月まで3年4カ月連続で前年同月実績を上回りまし
た。
しかし、その一方で、日雇いを除く1年以内の有期雇用を示す「臨時雇用」は、今年
に入り6カ月連続でマイナスとなっています。
これは、原材料の高騰や米国経済の低迷
など経営環境の急速な悪化を受け、派遣社員や期間従業員の数が減らされたことによ
るものと考えられます。
昨年の10月まで1.4倍台を維持していたパートの有効求人倍率
は今年6月には1.25倍(季節調整値)にまで低下し、約6年ぶりの低さとなっています。
アルバイトも頭打ち傾向です。
求人広告などから集計された6月の全国平均時給は
968円で、前年同月を2%下回りました。
人手不足を反映して上昇が続いてきたアル
バイトの時給ですが、これで3カ月連続でのマイナスです。
◆人材派遣業界の現状
また、人材派遣業界も転機を迎えています。
人材派遣業界は、固定費の増加を避けた
い企業の需要拡大により急成長を続けてきましたが、日本人材派遣協会が107社を対
象に集計している人材派遣の平均実稼動者数は今年4~6月で前年同期比1%増に
とどまり、比較可能な2003年以降で最も低い伸びとなりました。
◆柔軟な雇用環境の確保が大切
正社員採用については、「団塊の世代」の大量退職が始まり、長期的にも少子化の
影響で人手不足が続くことが予想されることから、中長期的な人材確保のため、企業
は積極的な姿勢を維持しています。
一方で、非正社員については、改正パートタイム労働法の施行や日雇い派遣の原則
禁止といった規制強化の動きも重しとなり、雇用が頭打ちになっていると考えられます。
非正社員の待遇改善はもちろん大切ですが、待遇改善を目指す法律がかえって企業
の慎重姿勢を強めてしまうことのないよう、柔軟な雇用環境を確保していくことが大切
であるといえます。
(出島労務管理事務所便り平成20年10月15日号より)
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