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「冠休暇」の活用で有給休暇取得を促進

2008年10月09日
◆有給休暇の取得促進を目指して
「プロジェクト休暇」や「アニバーサリー休暇」など、特別な冠をつけた有給休暇制度を
設ける企業が目立ちはじめました。
ワークライフバランス(仕事と生活の調和)向上の
機運が高まる一方で、高まらない有給休暇の取得率向上のために、各企業で新た
な促進策が打ち出されています。


◆国を挙げての取組み
有給休暇の取得率向上は、国も大きな課題として取組みを始めています。
内閣府が
2007年にまとめたワークライフバランスに関する「行動指針」では、有給休暇取得率
を、2012年には60%、2017年には100%にまで引き上げることを目標にしています。

 
しかし、国を挙げてワークライフバランス向上への取組みを進めているにもかかわら
ず、有給休暇取得率は低迷したままです。
厚生労働省の調査によると、2006年に
企業が社員に与えた有給休暇は年平均17.7日。
一方、社員の取得日数は8.3日と、
有給休暇取得率は40%台にとどまります。

就業形態の変化によって正社員が減り、1人当たりの仕事が増えたことで、結果的
に多くの職場で長時間労働を余儀なくされ、有給休暇が取りにくくなっているとも考
えられます。
また、同僚との競争や上司の評価を気にして積極的に休まない人も
多いようです。


◆「冠休暇」の効果は?
過労死の増加などで社員の健康管理がより問われるようになった今、企業も社員に
休みを取らせるために、様々な知恵を絞っています。

ある企業では、「プロジェクト休暇」を導入しました。
これは、1つのプロジェクトが終わ
るたび、最低1日の有給休暇が取れる仕組みです。
1つのプロジェクトに対して複数
の人間で対応するため、個人の都合で休むのは難しいことから、プロジェクト終了
ごとに同僚と調整しながら休むとしています。

また「アニバーサリー休暇」として、自分や家族の記念日に休むことを促進する企業
もあります。
導入したある企業では、有給休暇取得のための意識が高まることで、
仕事を1人で抱え込まずに周囲と情報交換したり、効率的に仕事をする同僚のやり
方を参考にしたりと、別の部分でも波及効果が出ているようです。

もっとも、新たな休暇制度を設けていても、休みやすいように人員や仕事を適正化
することが重要であり、それなくしては休みたくても休めない現実に変わりはありま
せん。
国、企業、そして労働者が一体となった取組みを続けていくことが大切でしょう。



(出島労務管理事務所便り平成20年9月15日号より抜粋)

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