人事労務相談&賃金規程・退職金規程 ― 社会保険労務士/出島労務管理事務所|長崎県で労働・社会保険事務や給与計算の代行、就業規則、助成金、人事・労務問題解決のサポートを行っています。

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◆4社に1社は退職一時金・退職年金「なし」
昨年11月発表(厚生労働省)の「就労条件総合調査」は、常用労働者数30人以上の企業を対象に調査を行い、4,211社から有効回答を得てまとめられています。
同調査では、前回調査以来5年ぶりに退職金の支給状況に関する調査が行われましたが、それによれば、2008年当時は83.9%の企業が退職給付制度ありと回答していたところ、今回は75.5%まで減少しています。

◆「退職一時金制度のみ」が大幅増
制度の形態別にみると、2008年当時は31.9%あった「退職一時金・退職年金を併用」する企業が22.6%へと大きく減少し、「退職一時金制度のみ」とする企業が55.3%から65.8%と、大きく増えました。
支払準備形態については、退職一時金制度がある企業では「社内準備」とする企業が64.5%で最も多く、次いで「中小企業退職金共済制度(中退共)」が46.5%でした。
一方、退職年金制度がある企業では「厚生年金基金」(44.8%)が最も多く、確定拠出年金(企業型)の35.9%と確定給付企業年金の35.6%は僅差でしたが、今後は、厚生年金基金制度の見直しが進むにつれ、状況が変化する可能性があります。

◆支給額も大幅減
勤続35年以上の定年退職者の退職給付額は、大卒者が2,156万円(前回比335万円減)、高卒者(管理・事務・技術職)が1,965万円(同273万円減)、高卒者(現業職)が1,484万円(同537万円減)で、いずれにおいても支給額が大きく減少しました。

◆これからの主流は「確定拠出年金」?
一時は「確定拠出年金の6割が元本割れ」との報道もなされましたが、2013年9月時点にいて、株価上昇等により、98%の加入者が元本割れの状況を脱し、通算の運用利回りの平均は年率で3%台に回復しました。
2014年度の税制改正においては拠出限度額の引上げについて検討が進められていますが、税制上の優遇措置もあることから、今後、厚生年金基金制度の見直しにより、確定拠出年金へと移行するケースが増加する可能性もあります。
退職給付制度のある企業においては、メリット・デメリット双方に関する情報収集が必要となるでしょう。



「出島労務管理事務所便り平成26年2月15日号」より







◆「経済センサス・活動調査」の結果が発表
総務省と経済産業省は、会社版「国勢調査」とも言える「経済センサス・活動調査」(2012年)の確報を発表しました。
今年1月に速報値を公表していましたが、今回の確報では、細かい業種や市町村別の従業員数、事業所数、付加価値額などを示しています。

◆従業員数が多い業種
従業員数が多かった業種は次の通りです。
(1)「老人福祉・介護」…179万1,324人
(2)「病院」…175万9,677人
(3)「専門料理店」…145万4,268人
8位には「一般診療所・開業医」(91万5,145人)が入り、医療・介護分野が上位に並んでいます。
ただ、従業員が多い割に売上規模は小さく、1位の「老人福祉・介護」は売上高でみると全業種の54位、2位の「病院」は23位にとどまっています。
こうした背景には、診療報酬や介護費用などが公定価格で縛られている結果として競争が生じにくく、経営効率も低くなっていることがあるようです。

◆付加価値額の大きい業種
会社が1年間に稼ぎだした儲けを示す「付加価値額」の上位は次の通りです。
(1)「病院」…8兆1,699億円
(2)「銀行」…7兆2,304億円
(3)「一般貨物自動車運送」…5兆4,589億円
こちらも6位には「一般診療所」が、9位には「老人福祉・介護」が入り、従業員数の調査と同じく医療・介護分野が上位に並んでいます。
しかし、従業員1人あたりの付加価値(外国企業を除く)は、「病院」が517万円、「介護・福祉」が293万にとどまっているのに対し、「銀行」は1,656万円、「生命保険」は1,235万円となっています。

◆課題残る成長分野の医療・介護業界
成長分野と期待される「医療・介護」分野が上位に並びましたが、従業員数に応じた売上高の上昇、生産性のアップがこれから求められるでしょう。



「出島労務管理事務所便り平成25年10月15日号」より







◆人材確保のためには何が必要?
アベノミクス効果などにより景気が上向きつつある現在、転職を希望する人も徐々に増えてきているようです。
企業が「優秀な人材」「望む人材」「欲しい人材」を獲得するためには、転職者に「この会社に行きたい」と思ってもらわなければなりません。
それでは、転職者は何を求めて(何を理由に「この会社に行きたい」と思って)転職をするのでしょか?

◆調査結果から
日本経済新聞社とNTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションが共同で、転職に関する意識調査を実施しましたが、その結果によると、「転職の条件で重視するもの」(3つまで回答)の回答の上位7つは以下の通りだったそうです。
(1)給与水準
(2)会社の将来性
(3)福利厚生
(4)職場の人間関係
(5)スキルやキャリアを磨ける可能性
(6)職務やポスト
(7)会社の社会的貢献度

◆「給与以外」で重要な要素
やはり1位はダントツで「給与水準」(82.2%)でした。「どうせ仕事をするなら、できるだけ高い給与が欲しい」と考えるのは、会社員にとって当然のことかもしれません。
しかし、給与はもちろん重要な要素ですが、「仕事は大変でもやりがいがある」、「仕事を通じて自分の成長を実感できる」「仕事を通じて社会の役に立てる」などと感じてもらえる職場や業務を提供することが、とても大切なのではないでしょうか。
今後、少子高齢化の進展により人材が不足することが確実視されていますが、会社の発展のために、どのような仕事を従業員に提供できるかがより重要になってくることでしょう。


「出島労務管理事務所便り平成25年9月15日号」より








◆有期契約労働者等のキャリアアップを促進
キャリアアップ助成金は、有期契約労働者等(有期契約労働者および正規雇用の労働者以外の無期契約労働者。短時間労働者、派遣労働者を含む)の企業内でのキャリアアップを支援する事業主を対象として支給される助成金です。


◆事業主の業種・規模、対象労働者の年齢は制限なし
有期契約労働者等(年齢不問)の正規雇用への転換、人材育成、処遇改善など、事業主(業種不問、事業規模の制限なし)の行う施策ごとにコースが分かれています。
コースの概要は下記の通りですが、この他にも、対象労働者の状況や企業の行う施策によって助成額が加算・上乗せされる場合もありますので、十分な検討が必要です。

◆コースの内容
下記の助成額は中小企業のもので、(  )内が大企業のものです。
【正規雇用・無期雇用転換コース】
…転換の内容により、1人当たり20万円(15万円)~40万円(30万円)
【人材育成コース】
…Off-JT(1人当たり):賃金助成1時間当たり800円(500円)、経費助成上限20万円(15万円)
…OJT(1人当たり):実施助成1時間当たり700円(700円)
【処遇改善コース】
…1人当たり1万円(7,500円)
【健康管理コース】
…1事業所当たり40万円(30万円)
【短時間正社員コース】
…1人当たり20万円(15万円)
【パート労働時間延長コース】
…1人当たり10万円(7.5万円)

◆「人材育成」「雇用管理」見直しのチャンス
計画的な人材育成は、企業の成長にとって不可欠です。この機会に助成金を活用し、人材育成・雇用管理の見直しに取り組んでみてはいかがでしょうか。



「出島労務管理事務所便り平成25年6月15日号」より







◆「追い出し部屋」問題の帰趨は如何に?
社員から「追い出し部屋」などと呼ばれる部署の設置が相次いでいるとの報道が、一部でなされ、厚生労働省が実態調査に乗り出すことになりました。違法な退職強要につながるおそれがあり、企業からの聞き取りを中心に調査を行うようです。
調査の中身は、どの程度の数の企業で設置され、どんな仕事を命じているのかについて把握し、退職強要について注意を促すとのことです。
また、調査の際に「賃金未払い」や「解雇手続」に関する違反が見つかれば、併せて是正指導がなされるそうです。

◆「退職勧奨」と「退職強要」の違い
会社が、社員の自由意思による退職を勧めるのが「退職勧奨」であり、これ自体は、会社と社員間の労働契約について社員の自由意思による解約を会社から申し出るもので、法的な規制はありません。
しかし、あまりに執拗に行ったり、詐欺・脅迫などにより行ったりすれば、違法な「退職強要」とみなされてしまいます。実際に、そうした裁判例も多々あり、損害賠償のリスクや雇用契約の解消が無効とされるリスクがあります。
今回の追い出し部屋問題では、企業側としては「新たな技能を身につけたりして、他部署の応援や再配置の役に立つように」との意図からそうした部署を設置しているとしていますが、社員側は「社内失業者を退職に追い込むのが狙い」と反発しています。

◆退職勧奨実施時の注意点
退職勧奨は解雇規制の厳しい日本においてはよく用いられる方法ですが、実際に退職勧奨を行う場合は、前述のように裁判となるリスクがあります。
裁判とならないためには、退職勧奨の行い方に注意が必要です。退職勧奨の実施回数・場所・時間、社員に伝えるべき事項とその伝え方、退職届の受理方法、必要となる書類の作成などに注意して、適切に行わなければなりません。
もっとも、退職勧奨を行う以前に、問題のある社員に対する日頃の注意・指導や労務管理のあり方のほうが重要であり、仮に裁判等になった際にも会社の有利に働くものであることは知っておいていただきたいものです。



「出島労務管理事務所便り平成25年2月15日号」より



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