◆今後の人事労務管理に大きな影響
8月3日に国会で成立した「改正労働契約法」が、同年8月10日に公布されました。
この改正法は「有期労働契約」に関する新しいルールを定めるものであり、企業における有期労働契約者の人事労務管理に大きな影響を与えるものです。

◆改正法が定める3つのルール
(1)有期労働契約の無期労働契約への転換
有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたとき、労働者の申込みがあった場合には、労働者に「無期転換申込権」が発生し、これを行使した場合には、使用者はこれを承諾したものとみなされます。
つまり、5年を超えて有期労働契約が反復更新された場合には、これを期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換しなければならないのです。
なお、原則として、6カ月以上の「空白期間」(クーリング期間)がある場合には、前の契約期間を通算しないこととされています。
(2)「雇止め法理」の法定化
最高裁判所の判例で確立しているとされている「雇止め法理」に関して、その内容が法律に規定されました。一定の条件を満たした場合には、使用者による労働者の雇止めが認められないことになります。
(3)期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止
有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることが禁止されます。

◆改正法の施行日と実務対応
上記改正内容の施行日ですが、(2)については公布日(8月10日)から施行されています。(1)・(3)については公布日から起算して1年を超えない範囲内で施行されます。
企業としては、人件費等に関して大きな負担が生じる可能性のある改正です。また、就業規則や雇用契約書の作成・見直し、契約更新を行わない有期労働契約者への雇止めの通知等、今後の実務対応も重要となります。



「出島労務管理事務所便り平成24年10月15日号」より